カプ・テテフ、カプ・コケコ、カプ・レヒレが使用率上位を占める中、唯一30位内に入れないアローラの守り神がいます。
それがカプ・ブルル。くさ・フェアリーの複合タイプの準伝説ポケモンです。
特性も他の3匹と同じフィールドを出現と同時に展開するもので、十分強力なもの。種族値だって合計570と高い水準です。
H70 A130 B115 C85 D95 S75
くさ・フェアリーの複合も多弱点な一方で多耐性と、決して悪いものではないです。カプ・ブルルはどう考えたって強いはずなんです。
ではなぜ、カプ・ブルルは使われないのか。その理由と、そしてそれでもうまく使うためにはどうしたらいいかを考えていきます。
カプ・ブルルはなぜ使われない?
通りの悪いくさ技
カプ・ブルルは特性のグラスメイカーによって展開されるグラスフィールドのおかげで、くさ技の威力が1.5倍になります。
このおかげで等倍ばかぢからよりも半減ウッドハンマーのほうが威力が出るとかいうわけのわからないことになっています。
数値を受けを許さない圧倒的で、半減でもゴリ押しできるほどの火力を持っています。正直、この火力だけで使われるだけの理由になるはずなんです。
ではなぜこのぶっ壊れ火力があっても使われないのか。それはくさ技の通りの悪さにつきます。
くさタイプの攻撃は、ほのお・くさ・どく・ひこう・むし・ドラゴン・はがねの7タイプに半減されます。
環境によくいるタイプでもドラゴン・ひこうをはじめとした多くのタイプに4分の1にされてしまいます。
いくらぶっ壊れ火力でも、4分の1ではさすがに有効なダメージとはいえません。
このあたりの通りの悪さが、同じぶっ壊れ火力でも使われているカプ・テテフとの差なのだと思います。
エスパーはエスパー・はがねに半減であくに無効と、無効にされるタイプこそあるものの3タイプのみの耐性であるため通りはそれほど悪くはありません。
無効にできるあくタイプに対してはフェアリー技で抜群がとれますし、エスパー技を4分の1にできるのも環境にいるモンスターではメタグロスとせいぜいドータクンぐらいです。
くさ技の通りが悪すぎて、とりあえずウッドハンマーを撃っとけとはいかないことが、カプ・ブルルの使いにくさに繋がっているのだと思います。
積みの起点にされる
通りの悪さについては上に書いたとおりですが、その弊害として積みの起点にされるというものがあります。
対戦でよく使われるモンスターでも、ボーマンダ・カイリュー・リザードン・ハッサムなど、つるぎのまいやりゅうのまいを積ませたら全抜きされかねないポケモンたちがカプ・ブルルを起点にすることができます。
このあたりも使われない理由の一つになっているのだと思います。環境トップクラスのポケモンたちを苦手とするだけでやはり使いにくくなりますから。
泥仕合メイカー
特性であるグラスメイカーによって展開されるグラスフィールドには、3つの効果があります。
くさ技の威力を1.5倍、毎ターンHP回復、じしん・じならし・マグニチュードの威力を半減と、効果自体は盛り沢山です。
この中でも、毎ターンのHP回復がクセモノなんです。
味方にだけ作用するのであればむちゃくちゃ有用なのですがもちろん相手側にも効果があります。その結果、確定数がずれたり相手の耐久ポケモンを強化したりなど、なにかと泥仕合に繋がりがちです。
基本的に強みである部分がすべてクセが強くって使いにくく、そのあたりが使用率が伸びない理由につながっているのだろうなと思います。
カプ・ブルルの上手な使い方
スペック上は相当強いはずなのに使われないカプ・ブルル。そのあたりの理由はわかってきたところではあります。
とはいえ、このポケモンは使いこなすことができれば相当強いです。実際、ハマったときの爆発力は相当なものです。やはりスペックが高いだけのことはあるのです。
それならばうまく使いこなすことができれば相当なアドバンテージになるのではないか。そのためにもうまく使いこなす方法を考えていきたいと思います。
カプキラー
冒頭でカプ系で唯一使用率30位以内に入っていないと書きましたが、ここがカプ・ブルルの強みになってきます。
カプ・ブルルは他の3体のカプ系に対して基本的に強く出ることができます。
カプ・コケコに対してはでんき技は半減、フェアリー技は特攻がそれほど高いわけではないためほとんど入らない。物理型の場合はひこうわざが気になるものの、使用率は相当低い。
カプ・レヒレに対してもみず技は半減であり、カプ・ブルルのくさ技は抜群で入るためめちゃくちゃ有利に戦うことができます。
カプ・テテフに対してはタイプ上は有利でも不利でもありませんが、カプ・テテフの強さの半分はサイコフィールドによるものであるため、それを上書きできるだけでも十分な強みになります。
そう、このフィールドを上書きできるというのが強いんですよね。特にカプ・ブルルは4体のカプ系のうち一番素早さが低いため、初手で同時に出た場合はカプ・ブルルの特性が優先されます。
カプ系3体に対して安定して後投げができるのはおそらくカプ・ブルルだけです。これだけでもカプ・ブルルを使う理由になるのではないかと思います。
こだわりスカーフを持たせて奇襲
カプ・ブルルのすばやさ種族値は75と、決して早くはないです。ただ、こだわりスカーフを持たせるとなるとこの75という数字は非常にちょうどいいものとなります。
すばやさに補正をかける性格にして(ようきなど)、努力値を最大まで振れば素早さは139になります。これにこだわりスカーフをもたせれば208となり、大体で素早さ種族値で最速135族までは抜くことができます。
これによって、有利対面と思い込んでいる相手に対して奇襲をかけることができます。
先に書いたとおり、半減でもそうそう受けられない火力を持っているため、スカーフによる奇襲はかなり有効です。
素早さの調整ラインに関しては全振りしないまでも、だいたい130族抜きぐらいまでには振っておきたいところ。あるいは準速フェローチェ抜きぐらいまで振るのでもいいかもしれませんね(実数値で136)。
サイクル性能に特化させる
くさ・フェアリーの複合タイプは多耐性・他弱点となっています。
耐性があるのが、かくとう・じめん・でんき・みず・くさ・ドラゴン・あくの7つ。
弱点がはがね・ほのお・ひこう・どく・こおりの5つ。
基本的に有利な相手と不利な相手がはっきりしたポケモンとなっているため、サイクル戦への適性が非常に高いです。
くさ技は通りは悪いものの、こだわりハチマキをもたせれば相当な負荷を相手のサイクルにかけられますし、とつげきチョッキをもたせることで繰り出し性能を高めることもできます。
流し際にやどりぎのたねをまいて後続のサポートをしつつ相手を削っていくなど、意外と器用なこともできます。
また、同じくサイクル性能の高いヒードランとはお互いの弱点をすべて半減以下で受けられるため、この二体でサイクルを回す戦術は非常に有効です。
しっかりとした構築に組み込めば相当いい働きをしてくれると思います。
グラスフィールドで周りをフォローする
グラスフィールドは泥仕合メイカーではありますが、うまく使いこなせば味方のポケモンのフォローをすることができます。
特にじめんが弱点のポケモンは、どこからじしんが飛んで来るかわからないので、じしんのダメージが半減できるのはかなり大きなポイントです。
メタグロスやギルガルド、ヒードランやバシャーモなどじめんタイプが弱点の味方をしっかりフォローできるようにグラスフィールドを展開できるといいシナジーが作れると思います。
他にもサブウエポンにくさ技をもっているポケモンの火力増強にもなります。
どうしても一人でシナジーを完結させてしまえる他の3体に比べると使い勝手が悪いですし、相手を強化してしまうリスクはどうしてもつきものですが、うまく味方が恩恵を受けられるように使っていけばかなり強力な特性になると思います。
共通して要求されるのは起点にされないということ
基本的にこのカプ・ブルルというポケモンは単体で強いポケモンではないです。その分、しっかりとした構築に組み込めばいい働きをしてくれます。
相手視点で考えると、カプ・ブルルを起点にして勝ち筋を作ろうとしてくることが多いので、それをいかにフォローするかがやはりカプ・ブルルを使いこなす鍵になると思います。
起点にされないように要所要所で交換読みをかけたり、あるいは起点にしてくるだろう相手を想定して後出しでも対処できるようにするなど、立ち回りや構築単位で起点にされないように心がける必要があります。
正直、思考停止で使って強いポケモンではありません。うまく使いこなすことで強さが実感できるポケモンだと思います。
個人的に使っていて楽しいポケモンですのでしっかりと使いこなせるようにしたいと思っています。こんな型もあるよーという人には、ぜひともご教授いただければと思います。
おもしろい型や構築を思いついたらまた追加していきたいと思います。それではまたー。